山陽本線岡山駅3番線に到着する227系 L38編成のS普通 吉永行きです。
227系のS普通 吉永行き側面表示です。
1. 現代のダイヤにおいて「2本だけ」残る設定背景
吉永駅止まりの列車が存在する本質的な理由は、「吉永駅構内にある中線の活用」と「和気駅周辺の小中学校・高校への通学需要」にあります。
- 吉永駅の構造的優位性: 吉永駅には上下本線の間に折り返し・特急待避が可能な「中線(2番線)」が今も維持されています。この線路を活用して、岡山近郊の超過密ダイヤを邪魔せずに安全に折り返すことができます。
- 通学ラッシュのピストン運行: 和気駅の周辺には複数の学校(和気閑谷高校など)があり、吉永駅からも多くの学生が通学します。早朝の1本は「吉永発・岡山方面行き」として通学・通勤客をすくい上げるための送り込みであり、夕方の1本は学校帰りの学生たちを地元(和気・吉永エリア)へ確実に送り届けるための、まさに地域に特化したシャトル列車としての役割を担っています。
2. 過去にはもっと多く設定されていたのか?
国鉄時代からJR初期にかけて、日中も含めて今よりはるかに多くの「吉永行き」が設定されていました。
かつての山陽本線(岡山〜相生・姫路)は、長距離を走る各駅停車が基本でしたが、1980年代前半の国鉄末期に実施された「ひろしまシティ電車」を発端とする近郊型高頻度ダイヤ(短編成化して本数を増やす施策)が岡山エリアにも波及。この際、岡山近郊の折り返し拠点として、中線を持つ吉永駅がクローズアップされました。
1986(昭和61)年11月1日以降、1時間に1〜2本程度の割合で「吉永行き」が昼間にも頻繁に運行されており、岡山駅の電光掲示板でもおなじみの行先でした。しかし、1990年代以降、岡山都市圏の範囲がさらに拡大(瀬戸・万富・和気方面への住宅地シフト)したこと、また長距離ローカル運行が徐々に整理され、相生方面への直通列車や「和気駅での折り返し(バリアフリー化や駅周辺整備)」へと系統がシフトしていった結果、吉永駅での昼間折り返しは役割を終え、1992(平成4)年3月14日 改正で昼間の吉永行きは一斉に姿を消しました。
その結果、朝夕の通学・運用上2本だけS普通 吉永行きが残っているのです。
なお、朝の700Mは2+2の4両編成、夕方の720Mは3両編成で、2026年3月ダイヤ改正以降はともに227系での運用となっています。
![]() | 糸崎 | ⑦5:03― | (700M) | → | 7:06② | 吉永 | |
![]() | 岡山 | ③17:35― | (720M) | → | 18:14② | 吉永 |
(普通 吉永行きは2本/日の設定)
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