駅の自動靴磨き機ピンチ 東京メトロから撤去へ
東京メトロの駅に計8台ある靴磨きの機械が姿を消しかねない状況になっている。利用者の減少で機械の開発会社がピークの4年前から半減させたが、それでも採算が合わず、来年早々にすべて撤去する方針という。手作業の靴磨きに替わって登場した機械が、再び時代の波にのみ込まれていく。
この機械は、東京メトロの関連会社「メトロセルビス」(東京都台東区)のオリジナル製品「自動靴磨き」。同社によると、地下鉄駅付近では1998年、日比谷線上野駅に設置したのが最初だ。都会の名物だった靴磨き業者が高齢化などで減った時期だった。
機械の特徴は両足を計2分で磨き終える時間にある。通勤時にいち早く磨けるよう時間短縮にこだわった。1回100円で、ブラシで汚れを取って光沢を出す。
一番利用者が多いのは、上野駅の改札を出たトイレ脇にひっそりと置かれている機械だ。同社の担当者は「目立たない場所だから、かえって落ち着いて利用できたのかもしれない」と推測する。
その上野駅でも年々利用者は減っている。2003年度以降、最も利用者が多かったのは同じ年度の月平均約670人で、昨年度はほぼ半分の約340人にとどまった。今年1月に撤去された日比谷駅(千代田線)は昨年度、少ない時で1日3人だけ。売り上げが減る一方、ブラシの交換などの費用がかさみ、採算がとれなくなったという。
担当者によると、利用者が減った理由は、安価な靴をはきつぶして買い替えるようになったり、磨く必要のない種類の靴が増えたりしたことが考えられるという。
06年までに16台が設置されたが、今は霞ヶ関駅(丸ノ内線)、飯田橋駅(東西線)の構内など8台になった。多くはないが、撤去のたびに「定期的に使っていたのに残念」と惜しむ声が寄せられている。担当者は「サービスを提供し続けたいが、今の状況だと切り上げざるを得ない。利用者が増えてくれれば状況は違うのですが」と話す。(長谷文)
朝日新聞 2010年11月11日記事より引用
清涼飲用水自動販売機の横にひっそりとその機械は佇んでいました。
レア度:★☆☆☆☆
(2011年早々には撤去されてしまう)