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2013年6月30日日曜日

参議院比例代表選議員選挙候補者等用特殊乗車券 旅客会社全線乗車証

参議院比例代表選議員選挙候補者等用の特殊乗車券 旅客会社全線乗車証

参議院比例代表選議員選挙候補者等用特殊乗車券・特殊航空券の旅客会社全線乗車証(普通列車)です。

地紋は「JR E」で、運賃は17,290円です。

この画像は週刊新潮平成22年7月8日号142~143ページのグラビア
”参院選候補者が「使い放題} 鉄道航空無料チケットは税金「2億6000万円」”
から引用しています。

この旅客会社全線乗車証の法的な根拠は、公職選挙法第176条に定められております。
(交通機関の利用)
第百七十六条  衆議院(小選挙区選出)議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙においては、公職の候補者、推薦届出者その他選挙運動に従事する者が選挙運動の期間中関係区域内において鉄道事業、軌道事業及び一般乗合旅客自動車運送事業に係る交通機関(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律 (昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項 に規定する旅客会社及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律 の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十一号)附則第二条第一項 に規定する新会社の旅客鉄道事業及び一般乗合旅客自動車運送事業並びに国内定期航空運送事業に係る交通機関)を利用するため、公職の候補者は、国土交通大臣の定めるところにより、無料で、通じて十五枚の特殊乗車券(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、通じて六枚の特殊乗車券(運賃及び国土交通大臣の定める急行料金を支払うことなく利用することができる特殊乗車券をいう。)又は特殊航空券)の交付を受けることができる。
法律には、参議院比例代表選出の候補者は「6枚」、それ以外は「15枚」とありますが、厳密には50枚綴りの乗車券が6冊貰え、使いきれば追加も可能とのことです。

乗車券綴り(冊子)には、表紙に「JR」「航空」と書いてあり、使用開始前に○印を付けます。
「JR」に○をした冊子は、使い切るまでJR線にしか使えず、逆に「航空」に○をした冊子は、使い切るまで飛行機にしか使えないことになりますが、使いきれば追加も可能なので、どうにでもなります。

「参議院⇔JR全線」という表記が不思議です。

参議院とJR全線を行ったり来たりできるわけではなさそうなのですが…

券面記載事項は次のとおりです。
●本証では、普通列車の普通車に限り利用できます。
●特急・急行列車をご利用になる場合は、旅客会社特急・急行列車乗車用引換証に必要事項を記入の上、
本証とともにJRの駅窓口に提出し、乗車券・特急券等に引換えの上、必ず本証を携帯してご乗車ください(本証のみでは乗車できません)。
●普通列車の指定券、グリーン券、ライナー券、乗車整理券等が必要な列車をご利用の際は、
別に座席指定料金、グリーン料金、ライナー料金、乗車整理料金等をお支払いください。
●JR係員から請求の際には、必ず本証をご提示ください。

運賃17,290円の算出根拠が謎です。
単純な距離で考えると1,681~1,720kmの運賃が17,330円なのですが、これは盛岡~東京~博多の距離(1710.2km)に相当します。
往復割引で考えると、東京~姫路(644.3km)が17,200円なので、このあたりが算出根拠と考えるのが妥当かもしれません。

特急、急行は無料なのに、ライナー券、乗車整理券は有料というところが、戦後すぐに制定された古い法律をそのまま放置していることをよく表しています。
参議院比例代表選議員選挙候補者等用の特殊乗車券 旅客会社全線乗車証
特急列車に乗る場合には旅客会社特急・急行列車乗車用引換証(後払)を使います。

地紋は「せんきょ SENKYO」です。

これは乗車券・特急券(指定席・自由席・立席)・急行券・指定席券に引き換えることができます。
(特急・急行に乗る場合、実際の乗車区間に対する乗車券が必要で、前述の「旅客会社全線乗車証」だけでは乗れません。)
グリーン券や寝台券は、候補者側の負担です。

有効期間は「平成22年6月24日から 平成22年7月16日まで」の23日間です。
平成22年参議院選挙の投票日は7月11日なので、選挙後5日間利用できます。この5日間の理由は、後述する国会答弁によると、昭和25年の交通事情(列車の遅延などを考慮した最大限の期間)が根拠になっています。決して選挙後のお礼のためではありません。

なお、このチケットのために2億6000万円の予算が組まれているそうですが、立候補するためには、比例区600万円の供託金が必要なので、一部はそこから出ていると考えられます。

平成16年3月1日、衆議員予算委員会第二分科会で、民主党の松崎哲久議員がこの無料パスについて質問を行っていますので、参考に議事録を以下に引用しておきます。
○松崎(哲)分科員 おはようございます。

民主党の松崎哲久でございます。

昨年十一月に初当選をいたしまして、本日が初めての質問機会となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

ただいま大臣から予算について御説明がございましたように、本日は、総務省所管の予算について質問させていただく場でございます。初当選、初質問ということもございまして、まず、私が代議士となりました原点と申しますか、代議士になる前の選挙の際に感じましたことを取り上げまして、御質問させていただきたいと思います。もちろん、総務省の所管でございますし、予算に絡むことでございます。

実は、私は、大臣御存じかどうかわかりませんが、選挙を四回やっております。苦節十一年、三回落選の末に今回初めて当選させていただいたんですが、昨年の総選挙の際に初めて見まして、大変に驚いたものがございます。

候補者や運動員が選挙期間中に選挙運動に使用いたします電車などのパス、特殊乗車券というんですが、制度はもちろん知っておりました。しかしながら、私自身が実物を手にしたのは初めてだったんですが、大臣はこのパスをごらんになったことがございますでしょうか。また、御自身で使用されたことがございますでしょうか。

○麻生国務大臣 存在は知っております。見たことはありません。使ったこともありません。私のところは余り使う機会がないんだと思いますが、使うことはありませんので。

○松崎(哲)分科員 率直な御答弁を伺いまして、感謝申し上げます。

選挙運動は自動車でするというのが昨今でございますから、当然、見たことも使用したことも、まして候補者自身が使用したことがないのは普通だと思うんですけれども、それでは、想像と申しますか、大臣の陣営ではどのくらい使用されているか、例えば回数でも結構ですし、額に換算しても結構でございます、お答えいただければと思います。

○麻生国務大臣 私の知っている範囲で、うちの選挙区内で使っているのは、これはたしか十五枚もらえるんだと思いますけれども、うちで使っているのはいないと思います。

○松崎(哲)分科員 それでは、大臣、使っていらっしゃらないということは、これは候補者の陣営が請求はできるんですけれども、請求をされていないということだというふうに理解してよろしいのかなと思いますが、実は、これが実物でございます。もしよろしかったら見ていただければと思うんですが。

特殊乗車券というのは、こういう定期券のようなものですね。実際に定期券を代用しているんですけれども、金額が書いてございます。私の場合は、これは一万七千二百九十円という金額が書いてあるんですが、そこで、私が思いましたのは、金額が書いてあるということは、ひょっとして鉄道会社にこの料金を支払っているんだろうかというふうに思いました。

実際は、大臣と同じように私のところも使用しないんです。私のところは十五枚請求はいたしまして持っておりますけれども、ひどいときには事務所の机の中に眠ったままのこともあるんですね。私の場合、交通渋滞を避けて隣の駅に移動するときとか、スタッフが県庁の選管へ行くときとか、最終日の打ち上げのときには大人数で移動したりしますので、そういうときに使わせていただいてはおりますけれども、大体、累計で数千円程度、多くても一万円程度、金額に換算すれば、使ったのはそのぐらいの数字ではないかと思うんです。

これに対して、私の場合ですが、一枚一万七千二百九十円掛ける十五枚、合計二十五万九千三百五十円分のパスが交付されていることになるんです。もちろん、これは候補者の数だけ出ますから、私の選挙区では三人立候補いたしましたので、全員が請求したとして、一選挙区で七十七万八千五十円、こうなるんですが、大臣の場合、計算上で結構なんですが、福岡八区の場合、幾らになるでしょうか。大臣は御存じなくて結構なので、選挙部長さん、お願いいたします。

○高部政府参考人 特殊乗車券の運賃につきましては、鉄道とバスで異なりまして、また鉄道の運賃は、御案内かと思いますが、都道府県内の旅客営業キロ数に応じて定められているところでございます。

それをどう選ぶかというのは、各候補者が選ぶということになっておりまして、十五枚の特殊乗車券のすべてをJRで利用したというふうに仮定いたしますと、大臣の場合でございますが、今おっしゃられた額と同額になりますので、二十五万九千三百五十円、都道府県内の営業キロ数が同じでございますので、一枚当たりは同じということになりますので同額になるということになります。

○松崎(哲)分科員 県内の営業キロ数は同じだと。私は埼玉県で、大臣は福岡県なんですけれども、全く同じというのはちょっと解せないんですが、上限が決まっているとか、そういうようなことでしょうか。

○高部政府参考人 この特殊乗車券の発行方法につきましては国土交通省の告示で定められているところでございまして、鉄道、軌道の場合は三ランクでございまして、都道府県内の営業キロが二十キロまでのもの、それから二十キロを超えて五十キロまでのもの、五十キロを超えるものという三段階で金額が決められておりますので、埼玉県と福岡県、同じ額になるということでございます。

○松崎(哲)分科員 事情はわかりました。

もう一度確認させていただきたいんですが、営業キロ数に応じて金額が定められている。そうすると、JRの場合でも私鉄の場合でも同じということなんでしょうか。

○高部政府参考人 鉄道、軌道につきましてそのように定められておりますので、同じでございます。

○松崎(哲)分科員 それでは、基本的には、二十五万九千三百五十円掛ける三百小選挙区というような感じで計算してよろしいかなと思うんですが、念のために伺いたいんです。この金額の計算なんですけれども、これは一カ月と書いてあるんですけれども、日数を掛けてあるということでしょうか。

○高部政府参考人 この特殊乗車券は、選挙時の使用でございますので、選挙の一定期間の利用を前提にしておりますので、それぞれ、十五枚の後払証で、一枚もらいますと、それ一枚につき幾らという払い方でございます。

○松崎(哲)分科員 先ほど大臣にお見せしましたけれども、この実物なんですけれども、有効期限が十一月十四日までと実は書いてあるんですけれども、投票日は十一月九日でした。選挙運動は当然八日までしかできないわけなんですが、これが十四日までというふうに書かれてある、それまで有効だということの根拠といいますか、理由といいますか、ございますでしょうか。

○藤井政府参考人 お答えを申し上げます。

制度の沿革は非常に古いわけでございますが、さかのぼって調べてまいりますと、昭和二十四年、国鉄が発足いたしました当時に、乗車券の通用期間の延長の期限が五日間というふうに定められておったところでございます。

これに基づきまして、昭和二十五年の公職選挙法の施行に伴う公職の選挙立候補者用特殊乗車券の発行方法等を定める件の告示に際しましても、この通用期間が選挙期日後五日を経過する日までというふうに通用期間を適用したものでございまして、これは当時の、旅行終了までの必要日数とか、あるいは列車の運行状況とか、乗車距離、あるいはまた不測の列車の不通といったようなことを勘案して、最大限とって五日間というふうにしたものだと推定しておるところでございます。

○松崎(哲)分科員 わかりました。それについてはちょっと申し上げたいこともあるんですが、時間も限られておりますので、そのことはとりあえず打ち切りまして、この費用は、だれがだれに対して払っているんでしょうか。少なくとも候補者は自分自身では払っていないということでございますが。

○高部政府参考人 ちょっと手続を御説明いたしますと、特殊乗車券は、先生御案内だと思いますが、選挙長が公職の候補者旅客運賃後払証というものを交付いたしまして、これと引きかえに候補者に交付するということになっております。

この特殊乗車券を交付いたしました鉄道事業者でございますとかバス会社等は、旅客運賃後払証を添えまして総務省に後払い運賃を請求するという仕組みになっておりまして、この請求を受けまして総務省は、事業者の別、後払証の枚数を確認いたしまして支払いをするという形になっております。

○松崎(哲)分科員 総務省が最終的にお払いいただくということですから、つまりは国民の税金ということだと思います。

私は、このパスの実物を見まして、これはおかしいんじゃないかなと思ったのは、この金額が、実際に我々がといいますか、陣営が使用した金額ではなくて、一定の金額があらかじめ定められていて、その全額が、バスなども含めてですけれども、鉄道会社に払われている。とすると、何かそこにやはりむだがあるんじゃないか、こういうふうに思ったわけなんです。三回過去に選挙している間、そのむだを知らずにいたのは、私自身も不明ではございますが、まさかという思いをそのときしたわけでございます。

この金額、総務省さんが最終的にお払いになりました金額、総額では一体幾らになるんでしょうか、二十五万強の全体の金額というのはどうなりますでしょうか。

○高部政府参考人 平成十五年十一月九日に執行されました衆議院議員総選挙におきます特殊乗車券の後払い運賃として、現在までに、現時点でございますが、請求を受けた金額は約九千九百三十万円でございます。

○松崎(哲)分科員 確認いたしますが、今のは小選挙区だけということでございますね。比例区にパスはないということと承知しておりますが。

○高部政府参考人 衆議院の場合におきますれば、比例代表選挙におきましてはパスはございません。

○松崎(哲)分科員 参議院の選挙、それではどうでしょうか。ことしは参議院の選挙がございますので、当然、十六年度予算に計上もされていると思うんですが、選挙区と比例区とに分けてお答えをいただければと思います。

○高部政府参考人 参議院の選挙区選挙の特殊乗車券の制度は、衆議院の小選挙区の制度と同じでございます。

それから、参議院の比例代表選挙の特殊乗車券につきましては、非拘束名簿式の選挙制度が導入された際に、名簿登載者を対象として創設されたところでございまして、全国を区域とするというような事情もございましたので、特殊航空券も交付、要するに飛行機ですね、飛行機も使えるようになっているということと、それから特急料金も含む急行料金、選挙区の場合ですと乗車賃だけなんですが、急行料金も無料となるといった点で若干制度が異なっているところでございます。

○松崎(哲)分科員 質問なんですけれども、その選挙区、比例区の場合、ことしの予算でも結構ですし、三年前の選挙の実績でも結構ですが、金額、選挙区、前回も非拘束式だったと思いますが。

○高部政府参考人 参議院選挙の実績を申し上げますと、十三年の参議院選挙の実績が手元にございますので申し上げさせていただきたいと思いますが、概算で申し上げますと、比例代表の分が約一億円でございます。それから、選挙区選挙の分が約四千七百万円でございます。

○松崎(哲)分科員 ありがとうございます。

以上で事実関係は大体わかりましたので、次は大臣に質問させていただきたいと思うんです。

このパスの制度は、広く申せば選挙公営ということになりますけれども、いつ、どういう趣旨で始まったのか、パスについてとその他に分けて御答弁いただけたらと思うんですが、大臣には細かいことは余りお伺いするつもりはございませんので、選挙公営の目的とか意義といった点、できればお願いしたいと思います。

それから、時期等については、選挙部長さん、また補足で御答弁をいただければと思うんですが。

○麻生国務大臣 これは、それこそもう大分前の話で、松崎先生が生まれる前、昭和二十三年、議員立法で導入をされておる経緯があります。当時は今と違って、物というか、車自体も、ほとんど選挙で使っている方は裸トラックを使っているような時代でしたので、今のような時代とは全然違いますし、交通もほとんど鉄道に頼っているところが極めて多かったという時代にできておりますので、多分それが時代背景としては大きかった。

もう一つは、極めて敗戦直後の混乱の時期で、貧しい時代でもありましたので、選挙に要します金の制度やら何やらが、今のような政党助成金もありませんし、いろいろな意味で形が全然違っていたと思います。そういった基本的なことに関しては、ある程度援助、補助というものをやった方がより公平ではないか、多分そういう哲学がその背景にあったと推定をされるところだと思いますけれども、細目につきましては承知をいたしておりません。

○高部政府参考人 大臣の答弁を補足させていただきたいと思いますが、選挙公営制度はどういう目的かということでございますが、選挙の公営は、国または地方公共団体がその費用を負担いたしまして、候補者の選挙運動を行ったりあるいは候補者の選挙運動の費用を負担する制度というものでございます。

公職選挙法は、選挙運動について種々の規制を加えているわけでございますけれども、そういう中でありましても、選挙にはなお多額の経費を要して、それが選挙の腐敗につながるおそれがあるといったようなこともございます。そこで、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段といったようなことで選挙公営制度が採用されているものでございます。

歴史をたどりますと、随分いろいろな歴史がございまして、一番古いのは、はがきの利用というのが大正十四年に始まっておりますが、その次に、今問題になっております制度等をあわせまして、昭和二十三年に公営の制度がいろいろできておるわけでございます。その後、昭和五十年あるいは平成四年といった形で公営の制度が充実されてきているというような状況でございます。

特殊乗車券につきましていいますと、今大臣から御答弁ございましたけれども、昭和二十三年、議員立法でされたところでございますけれども、それ以前にも、事実上の措置として、国有鉄道については割引乗車券が発行されていたようでございますが、この法律におきまして、これを法律上の制度といたしまして国有鉄道以外の交通機関にも及ぼしまして、かつ全額国庫負担したものと承知しております。これが昭和二十五年に公職選挙法が創設された際にも引き継がれまして、衆議院の選挙に加えて参議院あるいは都道府県知事の選挙にも適用されるようになったというような経緯でございます。

特殊乗車券の制度につきましては、広い選挙区を通じまして活発な選挙運動を行うためには、あらゆる交通機関を一〇〇%活用しなければならない候補者にとって交通費が大きな負担となっていたというようなことで、これを公費で負担するという趣旨で創設されたものと承知しております。

なお、この制度の導入とあわせまして、選挙運動用自動車等の使用台数の制限が図られておりまして、選挙運動用自動車等の乱用により選挙運動費用が多額になることを防止するといったことも当時の提案理由には言われているところでございます。

○松崎(哲)分科員 選挙公営の意義というのは、今の大臣の御答弁それから選挙部長さんのお話のとおり、その意義というのは広く認められてしかるべきだと思っております。公営による補助があるからこそ、資力にかかわりなく、また集金力にもかかわりなく、真摯に政治を考える者が立候補できるという民主主義の根幹だと思いますから、この制度は当然維持されてしかるべきだと私は思っております。

しかしながら、そうであればこそ、むだな出費を省く必要があるのではないかというふうに考えます。特殊乗車券、この制度はその最たるものではないかというふうに思います。例えば、実際に使用した区間、使用した料金を実費で弁償するというようなことであれば、方法はいろいろ考えられると思いますが、むだを省けるのではないかというふうに思います。

私はこのパスを見まして、一万七千二百九十円掛ける十五の二十五万九千三百五十円という計算をしたときに、恐らく二十五万円ぐらいはむだにしているんじゃなかな、こういうふうに思ったわけでございます。もちろん、自分自身が請求しなければいいんですが、十五枚を同時に使うというケースは実際あるわけですから、やはり使わせていただきたい。こういうふうに、制度としてはあった方がいいと思ったわけです。

しかしながら、そのやり方、運営の仕方でもっとむだを省くことができると思いますので、当選したら、ぜひこの制度の廃止を提案したいというふうに思ったんです。ですから、本日、この第二分科会のトップバッターとして役を与えられましたことを大変うれしく思いました。

大臣、ぜひこのむだを廃止する方向で御答弁をいただけないでしょうか。

○麻生国務大臣 松崎先生御存じのように、これは議員立法でできていまして、閣法とは少し違いますので、総務省がやめるとかやるとか言うことはなかなか難しいところですので、これは一回、議運なりそういうところでお話をいただかないと、こちらの方としてはなかなか言えるという種類の法律ではないという点もちょっと御理解をいただいて、実費払いとかいろいろなやり方はあるような感じはいたしますし、むだは省くにしかず、当然のことだと思いますので、今の時代に合わせてみると、もうちょっといろいろなやり方があるのではないかという感じが私の率直なところです。ちょっとここは議運等々で一度この話を持ち出していただいても、これは知っている人は余りいないと思いますね、正直なところ。そういった意味ではいい指摘だと存じます。

○松崎(哲)分科員 踏み込んだ御答弁、どうも大変ありがとうございました。

ちょっと選挙部長さんに確認なんですが、今、大臣、これは議員立法だということでございましたが、改正につきましても議員立法だったんでございましょうか。

○高部政府参考人 ちょっと今は手元に資料がありませんので、この種の公営制度の改正がすべて議員立法でやられているかどうかはわかりませんけれども、この種の選挙運動のルールづくりといいますか、公営のルールづくりにつきましては、やはり土俵づくりのようなものもございますので、各党間でいろいろ御議論をいただいて対応するというのがこれまでの通例だというふうに承知しているところでございます。

○松崎(哲)分科員 先ほど、衆議院の小選挙区についてはパスがあって比例区はない、参議院は選挙区も比例区もある、比例区は非拘束名簿になったときにあるということでございましたね。

それで、衆議院の比例区の場合も、政党選挙だからないという前提だとは思うんですけれども、やはり活動としては個人名で選挙をしていることになるわけですので、例えば昔の参議院拘束名簿式のときには、個人名でたすきをかけたりという選挙運動はできなかった。しかしながら、今の衆議院の比例の場合には、個人名でもたすきをして重複立候補して活動できるわけですから、この選挙区についてはないということについては整合性がやや欠けているんじゃないかなと思う部分もございます。

もちろん、私は、先ほど選挙部長さんの御説明の中にありましたが、参議院の比例区のようなところについては実際にかなり費用がかかるわけですから、やはり相当額、むしろパスといいますか、公営の制度があってしかるべきだったと思います。

いずれにいたしましても、大臣の御答弁にございましたように、時代状況が大分変わりまして、歴史的意義も薄れてきているテーマではないかなというふうに思っておりますので、この点につきまして、大臣御指摘のように、各党間でというようなお話でございました。これはまた私の今後の活動として努力をしてまいりたいと思います。

最後に、私の質問の趣旨は、必要なものは出す、むだなものは省く、こういう観点で、たとえ小さなものでも見直してまいりたい、それが私の議員活動の原点なんだということを、大臣それから総務省の方々、国土交通省の方々、そしてまた委員の各位にもぜひ御理解いただきたいと思います。

これを廃止という方向に持っていければ、衆議院の選挙につきましては一億円の国費が省略できるということでございますし、また参議院につきまして、仮に選挙区だけ廃止したとしても、やはり約五千万円むだが省けるということですから、そういう意味では、この質問をさせていただきましたことを機会に、ぜひ総務省さんの方も、いろいろ資料をおそろえいただくことを含めまして、議員立法ということであれば、議員の立法活動にぜひ御協力も賜りたいというふうに考えております。

きょうは私の初質問でございまして、全くふなれなことでございまして、委員長にも御迷惑をおかけいたしましたけれども、御協力いただきまして、どうもありがとうございました。大臣にも踏み込んだ御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。

どうもありがとうございました。

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