新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年度に輸送密度が2,000人未満だった路線で、合わせて17路線、30区間です。このうち、2017年度から2019年度までの3年間平均で、営業係数が最も大きい、芸備線の東城~備後落合間(25,416)と、2番目に大きい木次線の出雲横田~備後落合間(6,596)に青春18きっぷシーズンでもない土曜日に乗車しました。
まず、木次線の出雲横田~備後落合間です。営業係数6,596、運輸収入400万円/年、営業損益2.7億円、輸送密度37人/日と公表されています。1日当たり3往復(+奥出雲おろち号1往復)しか運行されていないため、片道1本あたりの乗客は6人程度という事になります。
奥出雲おろち号は、2023年度をもって運行を終了することが決まりましたが、キハ40系を使用した「あめつち」を週に1回程度木次線の宍道~出雲横田間に限り運行するとJR西日本は表明しています。
これは、
①宍道~出雲横田間はしばらく営業を続けること
②出雲横田~備後落合間は3往復のワンマンカーのみの営業となること
を意味し、出雲板根、三井野原間にある三段式スイッチバックの将来は厳しいと言わざるを得ません。
出雲横田駅に到着したキハ120-208+キハ120-1 2両編成の備後落合行きです。
出雲横田駅に到着したキハ120-208+キハ120-1 2両編成の備後落合行きです。
後ろのキハ120-1はここで切り離して木次行きとなります。
出雲横田から備後落合まで、もっと閑散としているかと思ったら、35人~50人ほどの乗客がおり、座席はいっぱいの状況でした。
出雲坂根駅に到着したキハ120-208単行の備後落合行きです。この駅で奥出雲おろち号と交換するため、長時間停車します。
地元のおじさんが手作りの三段式スイッチバックの説明用紙を用いて、その仕組みを乗客に教えてくれていました。
しばらくすると、備後落合方面から奥出雲おろち号が推進運転でやってきました。
地元のおじさんが手作りの三段式スイッチバックの説明用紙を用いて、その仕組みを乗客に教えてくれていました。
しばらくすると、備後落合方面から奥出雲おろち号が推進運転でやってきました。
奥出雲おろち号が出雲坂根駅に到着すると、すぐに備後落合行きは発車です。
出雲坂根駅発車直後の車窓です。左が木次方面、右が備後落合方面で、高低差が見て取れます。
しばらく上ると、この様なガードをくぐり、再びスイッチバックします。
その後、奥出雲おろちループを右手に眺めながら列車は進みます。
やっと備後落合に到着です。
出雲坂根駅発車直後の車窓です。左が木次方面、右が備後落合方面で、高低差が見て取れます。
しばらく上ると、この様なガードをくぐり、再びスイッチバックします。
その後、奥出雲おろちループを右手に眺めながら列車は進みます。
やっと備後落合に到着です。
なお、この区間は冬季は豪雪に見舞われ、2022年12月も早速豪雪に伴い運休となっています。それでも利用客が少ないため、大きな問題にはなっていません。備後落合駅2番線には三次行き、3番線には新見行きが停車中です。木次線から乗り換えるには5分程度しかないので、慌ただしい乗り換えでした。
次に、芸備線の東城~備後落合間です。営業キロ25.8km、営業係数25,416、運輸収入100万円/年、営業損益2.6億円、輸送密度11人/日と公表されています。
1日当たり3往復しか運行されていないため、片道1本あたりの乗客は2人以下!という事になります。絶望的な数値です。
運輸収入100万円/年という事は、1日当たりの運輸収入は2740円!東城~備後落合間の運賃は510円ですので、営業損益2.6億円をまかなうためには仮に東城~備後落合間すべて乗車するとしても1,396人/日の輸送人員が必要です。
現在3往復しか運行されていないため、1本あたり232人がキハ120系1両編成に乗車しないと元が取れません。定員はキハ120系300番台だと112名ですので、どうあがいても黒字化は困難な状況であることが簡単に推計できます。
特に途中で見どころの景色もなく、新見駅1番線に到着しました。備後落合 | ③6:41 | ― | (442D) | → | 7:42① | 新見 | |
備後落合 | ③14:37 | ― | (444D) | → | 15:37① | 新見 | |
備後落合 | ③20:12 | ― | (446D) | → | 21:12① | 新見 |
(芸備線 備後落合~東城間は1日3往復のみ)
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