はやて338号東京行き E5系のグランクラス側面表示です。
2013年3月のダイヤ改正で、東北新幹線「はやぶさ」号のなかで「はやて」より遅い列車が設定されたことが話題になりました。
当時は、最速の「はやて」より遅い「はやぶさ」は、定期列車で上下各4本ありました。新青森~盛岡間が各駅停車で、それが遅い原因になっています。
新青森~東京間を乗る場合、「はやぶさ」は「はやて」より510円高い料金設定になっています。これは本来は速度への対価であり、確かに「はやぶさ」は盛岡~宇都宮間で時速300km/hr運転をします。
しかし、新青森から東京(もしくは上野、大宮)までの乗客にとっては、いくら盛岡から300km/hr運転をしても、盛岡まで各駅停車では意味がありません。
その後、続々とE5系が増備され、「はやて」や「やまびこ」が「はやぶさ」に格上げ(便乗値上げ?)されるにつれ、定期列車でのこの逆転現象は解消されました。
しかし、現在でも多客時にのみ運転される一部のはやて号は、一部のはやぶさ号よりも早くて安いという矛盾を抱えて運転されています。
例えば、「はやぶさ28号」の約1時間前を走る「はやて338号」は、車両も「はやぶさ」と同じE5系で、盛岡から東京まで所要時間は「はやぶさ28号」より18分速く、価格は510円安いのです。
現ダイヤにおいては、仙台から盛岡間も各駅停車の「はやぶさ」が複数設定されており、「はやぶさ」が「はやぶさ」を抜かすことも頻繁にあります。もはや「はやぶさ」とは大宮から仙台までノンストップで300km/hr運転するということだけが名称の裏付けとなっている状況です。
逆に、「はやて338号」は何故「はやぶさ」を名乗らないのでしょうか?それは、運転日によってE5系が使用されず、E2系での運行となるため、最高時速が275km/hrでダイヤが設定されているからです。
はやて338号東京行き E3系の側面表示です。
はやて338号は盛岡側にE3系を併結して運転されています。従って、300km/hr運転は出来ません。
新青森から仙台間が各駅停車の「はやぶさ」は今後もなくならない可能性が高いです。なので、「速度の対価」としての割増料金の不合理性は、今後もなくなりません。
同一車両で運転し510円の追加料金を取った上で、所要時間が遅いという点において、乗客視点からは合理性を見いだすことは不可能です。
東海道新幹線「のぞみ」は登場時から今までずっと「ひかり」に対する時間的優位性を維持していて、停車駅も厳選されています。なので「ひかり」より料金が高いことに関しての合理性を維持しています。それに対して、「はやぶさ」は、すでに価格の合理性を失っています。これは、東京から青森間で寡占状態となったJR東日本の乗客に対するちょっとしただまし討ちです。
企業の論理から考えれば、新青森行きの新幹線のほとんどを「はやぶさ」に変えることで確実な増収を得るJR東日本は商売上手なのかもしれません。
ちなみに、そんな訳でE5系のはやて号東京行きは珍しい種別行先となっています。
盛岡 | ⑭15:25 | ― | (はやて338号) | → | 17:56㉒ | 東京 |
2018年9月17日(月・祝)の東北新幹線はやぶさ28号 東京行き時刻表
盛岡 | ⑫16:07 | ― | (はやぶさ28号) | → | 18:56⑳ | 東京 |
レア度:★★☆☆☆
(E5系のはやて 東京行きは繁忙期のみの運行)
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